”吊るし人”を持つ人を愛するということ。
大事な人がいて、でも、自分がいることでその人の本来の生き方を奪ってるとしたら。
「 これから鑑定お願いできますか? 」そんな急ぎのLINEをいくつかいただいた今週でした。
そのお話しの中で考えたこと。
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私がいなければ、その人はきっとこれまでのように家族のために生きたはず。
私を想ってくれるのは幸せだけれど、その人の為にはならないのもわかってる。
でも、一緒になりたい。
無償の愛って。
愛しているから離れることもそうなのかもしれない。
自分の気持ちは置いておいて、その人が本来の生き方をするのを遠くから見守ること。
実際にそばにいて見守ることは、もちろんできないとしても。
ただただ、祈って過ごす。
自分の胸の中にだけしまって。
そんな愛の表現も、あるのでしょうね。
そう決めた時は、一晩中どころか何日も、何ヶ月も、もしかしたら何年も思い出しては泣き通すのでしょうけど。
これまでに何度かリーディングをしてきて、タロットで彼に出てきていたカード。
最近、彼女は四柱推命の鑑定を受けました。
読ませていただくと、あのカードは四柱推命の彼の命式に通じるカードだというのがとてもよくわかりました。
自分を犠牲にして子供や植物など、周りを育てるために愛情を注ぐ人生。
その人に子供がいるなら、子供が一番の幸せとなる人生。
タロットの鑑定で、彼の家族のために今は生きようとする姿勢は話してありました。
でも、これは今だけではなくて彼の生き方のテーマだった。
それを知ってしまったら。
自分がいればその生き方は少なくとも全うさせてあげられないのかもしれない。
自分は彼の子供は産めないし、今いる彼の子供ですら早く引き離すことになるかもしれない。
彼らしくいられないなら。
・・・
私が引けばいい。
” 自己犠牲の精神 ”を示す吊るし人。
吊るされているけれど、彼は微笑んでいます。
耐え抜けば、報われることを知っているから自我を捨てて相手に尽くすのです。
自分の内側とつながることが鍵となるこのカード。
すでに彼は、子供のために生きることが自分の幸せだと気づいているはずですね。
だけど、彼もまた彼女を愛しているのです。
このカードは魚座のカードでもあります。
魚座のマークは、2匹の魚が背中合わせになったものがモチーフです。
やはり、「奉仕」「自己犠牲」「ボランティア」などが象意です。
・目に見えるもの と 見えないもの
・形あるもの と 形のないもの
こういうものの間を行ったり来たりする人間の意識を示しています。
そして交わることのない線。
2つのものを調和・統合させることの難しさ、矛盾も表します。
吊るし人と同じように、自分の内側を見つめることが大きなテーマ。
自分の内側に広がる目に見えない精神世界は、自分の外側に広がる目に見えて存在する物質世界とどうつながっているのか。
自分が目に見えて形あるものに尽くした時、心も満たされるのを感じるでしょう。
そこにある存在を通して、目に見えない「愛」を与えたり受け取っているのを感じるからでしょうね。
鑑定によると、従児格と呼ばれる命式をもった彼の生き方は、 ” ひたすら「棄命(きめい)」により私心なく自分のこだわりや技術を追求していき、心地良いと想える事柄やモノ作りなどに集中していく生き方。 ” だそうです。
つまり、自分個人の幸せを満たす生き方は捨て、その集中している通変の意味する役割に準じて生きる、身を捧げる生き方をするということです。
彼の場合は、集中する通変とは「子供」を意味するものだそうです。
子供を育てる役割に生き、子供に従って自分を変化させていくという、子供に身を捧げる生き方。
自分がいたら、彼はその使命を全うしきれない。
自分といる時に、子供のことを思って少しでも後悔して欲しくない。
彼女の思いも当然です。
「 迎えに来れなくていいよ。 もう頑張らなくていいよ。お子さんのそばにいてあげて。 」
決して、決して本心ではないけれど、愛してるからこそ終わりを選ぶ。
彼女が本当の愛情をみせるとしたら、そういう表現になるのかもしれません。
タロットは、時に、その時の姿勢だけでなく、その人の人生のテーマそのものを映し出すこともあるのですよね。
彼女は、彼への愛をどう伝えるでしょうか。
いつもありがとうございます。